最近、色んなオーディション番組にはまって見返しているチエです。夢を描いてオーディション番組にでる参加者と、本気でぶつかる講師陣について改めて学びが多いな~と感じていて、それについてもいつか書きたいなと思います。
そんな中で自分が参加者を見ていて、この子はダンスが上手い、上手くないという事を評価している中で、何をもってダンスが上手いと言えるのかな?とふと考えました。
ダンスインストラクターとして小中学生を中心に教えるていて、もちろん上手くなるために技術的なことを教えているのだけど、それだけだと体操になってしまう。私はダンスは表現者(アーティスト)だと思っていて、スポーツではないと思っている。歌う事も体を使っているし体力もつかうけど、スポーツって言わないじゃん。伝わるかな?なので何かを表現できるようになって欲しくて、表現が出来る子を『上手い』って思うし感じるんだよね。
だから生徒たちにこうした表現者になってもらうために技術を教える訳だけど、それが具体的に定義しないで、「頑張れ」と言われるだけではなかなか自信を持てない。目標が曖昧なままだったり、課題が言葉になって伝わっていかないと、やる気も続かない。そこで、自分なりに「ダンスが上手い」って何かまとめてみました。生徒の上手くなる指針になれば良いなと思います。
体力的な要素
基礎体力 何事も体力勝負です!
ダンスを上達させるには、持久力、筋力、柔軟性の3つの基礎体力が重要と言われています。
持久力
通常ダンスは1曲4~5分間の曲を踊りますが、アーティストのバックダンサーになれば2~3時間(フルではないですが)継続してパフォーマンスが出来る必要があります。さすがにその時間を出来るまでではないですが、何曲か連続で踊り続けるぐらいの体力は必要です。持久力がなく後半になるとパフォーマンスが落ちて振りが雑になったら格好悪いですよね。
筋力
筋力は安定した動きや美しい姿勢を保つために重要で、特に下半身の筋力と体幹が鍵となります。腕を振る。足をあげる。体がぶれない。動きを止める。など振りの中で一つずつの動きがしっかりと出来ると『キレ』が出てきますが、筋力がないと止まるところで止めれず体幹が弱いと軸がズレたりしてしまいます。
柔軟性
滑らかで美しい動きを実現するために不可欠です。柔軟性があることで可動域が広がり、複雑なポーズやダイナミックな動きが可能になりますし、やっぱりケガを防ぐ効果もあります。ダンサーはなんだかんだ無理な動きをするからケガをしがちです。
特に股関節、肩甲骨、足首の柔軟性がダンスのパフォーマンス向上させ、動きのしなやかさや表現力を高めてくれます。
なんだかんだとやっぱり基礎体力が高ければ高いほど出来ることが増えてきて技術や表現力を最大限に引き出す土台になるんですよね。そしてそれを鍛えるのは圧倒的に地味・・・・・
レッスンでは基本的な柔軟や体感のためのプランクなどを取り入れますが、それでは圧倒的に足りず、これは日々の日常的な積み上げが大事になります。
技術的スキル やっぱり型から!
正確性
ダンスにおける正確性とは、振り付けを忠実に再現し、動作の形や角度を揃える力です。例えば、手の角度がずれるだけでも全体のバランスが崩れ、見た目の美しさが損なわれてしまう。正確性が高いほど動きが統一され、見る人に洗練された印象を与えます。踊るたびにステップがズレていたり、体の傾きが変っていたり手の位置が違えば雑な印象を与えてしまう。ちゃんと狙ってずらすってことはあるけど、あくまで同じことが出来てる人がやること。
そのために鏡を活用しながら細部を確認し、一つひとつの動作を丁寧に仕上げることが大切です。
身体コントロール
身体コントロールとは、簡単に言ってしまえば思った通りに体を動かすことです。これって結構難しい。頭でイメージしたとおりに滑らかで安定した動きが出来るとやりたい表現が出来るようになってくる。例えば、回転する際にバランスを保つことや、急な動きから次の動作へスムーズに移行するなど鍛えた体を自由に使いこなすことが出来れば、高度な技術も実現しやすくなります。
リズム感
ダンスの基盤とも言えるスキルで、音楽の拍やテンポに動きがしっかり同期していることを指します。リズムに合った動きは、パフォーマンスをより一体感のあるものにしてくれます。ダンスの中でアップからダウンのリズムやリズムのテンポが変わるなどこうした音楽の変化に対応できる力がひつようです。音楽をたくさん聴くと同時に、どんな音楽でも体を動かしてリズムをとっていると段々に体が覚えてくれます。
ダンスは多くの技術的な型がある。一番分かりやすいのはステップ。名前をあげるときりがないくらいたくさんあって、それらを曲に合わせて使い分ける。またアニメーションに使われるヒットとか、ウェーブとか体の一部分だけを動かすなど、こうした型を音にのせて使いこなせるようになると、パフォーマンスの幅は格段に広くなる。
表現力 魅せてなんぼ
感情表現
感情表現は、ダンスを通じてストーリーや感情をお客様に伝えるための鍵となります。
ただ動きを覚えるだけでなく、振り付けの背景や曲の歌詞を理解し、自分自身の物語を描くことが必要です。私が曲選びに悩むのもまさにここで、曲がどんなによくても歌詞が暴力的だったり卑猥だったりしたら使わない。子供たちにそうした事を表現させたくないから。たまに旦那に曲がよければダンスとしては良いのでは?って言われるんだけど。違うの!これはパフォーマンスをするうえでこだわりなんです。
この表現には「アクティング(演技)」の要素が大きく関わってくる。アクティングとは、表情や視線、仕草を用いて感情を形にする技術であり、ダンスに取り入れることでパフォーマンス全体が豊かに面白くしてくれる。
個性
個性はダンサーが持つ独自のスタイルや特徴を指し、観客に「この人らしさ」を伝える重要な要素です。最近だとアバンギャルディなんかは衣装、髪型、お化粧など全て揃えてきて、アバンギャルディと言ったら・・・ってイメージが出来る。これは極端だけどわかりやす個性。同じ振り付けでも、個々の解釈や表現の違いが表れてくる。例えば、振り付けに少し動きをアレンジしたり、自分が得意とする動きを目立たせることで、独自の雰囲気を作り出すこともできる。
私はダンスは表現だとおもっているので、とくにこの『魅せる』ってことに意識をして欲しい。アクティングに力を入れすぎるとわざとらしくなり、ウケルけど上手いにはならない。個性も曲の解釈を殺してしまうとそれは身勝手になってしまう。だけど感情も個性もないダンスは面白くない。
これが上手くできるのが表現力だと思うし、やっぱりダンスは性格も心も現れてくると思います。
適応力 おまけのおまけ
簡単に言ってしまえば、いきなり踊れる力かな(笑)
オリンピックのブレイキングダンスでは、いきなり音楽がかかった中でそれをどう表現するかが求められていましたが、まさにそれで、ダンスはステージの上だけではなくどこでもどんな時でも音と体があれば出来るもの。決まった形の決まった場所でしか踊れないだとダンスが出来るってだけで楽しむまでいかない。
臨機応変にその時々にあったコンセプトを踏まえて踊れると素直に格好いいなって思います。
まとめ
臨機応変に出来るのは、たくさんの引き出しがあるからなんです。基礎体力があり、柔軟性が高ければ表現の幅が広がります。型にあった正確なおどりをたくさん知れば知るほど、引き出しが広がっていく。その引き出しの中から、その時の想い、感情、自分らしさを載せると素敵なパフォーマンスになり、それが人を惹きつけるものになるのだろうと思う。
私が出来るのは、引き出しの数を増やしてあげる事。そして表現することを楽しませること。この二つを教えて行く事で、素敵なダンサーになってもらいたいな。
私の思うダンスが上手いをまとめてみましたが、どうでしょうか?上手くなるためのイメージがつくかな。ひとつずつ着実に上手くなって欲しいし、楽しんでもらいたいなと思います。